高村智恵子が療養した田村別荘 その変遷と新説Ⅵ

汐浜観光組合が買い上げた「田村別荘」は、その地代と改修費の支払いは勿論、定期的な清掃も組合員が行っていた。

同時に組合は、大網白里町に「文化財」に指定するよう要望した。昭和48年(1973)2月に大網白里町文化財審議会の議題として提案されたが、

<昔の面影が薄く、純粋な文化財としての価値が少なく、現状は老朽化も進み、移築後、増築され、当時の遺構は柱と欄間程度である>

として否決され、文化財の指定には至らなかった。

その後、組合が経営する「汐浜荘」の閉鎖、組合員の高齢化により、管理が行き届かなくなり、廃屋状態になり、ときには浮浪者が寝泊まりしていたこともあったという。

写真上は宴会場に掲げた「汐浜荘」の旗、下は田村別荘跡地

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