芝山はにわ博物館を訪ねて

芝山の観音教寺を訪ねた際に、同寺に併設されている「芝山ミュージアム・芝山はにわ博物館」を見学しました。

この博物館は、昭和32年(1957)に創設され、平成8年(1996)に新築移転されたもので、昭和32年に早稲田大学滝口宏教授の指導の下で発掘された「殿塚」・「姫塚」の2基の古墳から出土した「はにわ」を中心に、150余体のはにわコレクションや古鏡などが展示されています。

芝山古墳群は、殿塚・姫塚とよばれる2基の前方後円墳が中心で、殿塚は全長86m、前方部が幅58m、後円部が径51m、後円丘の高さが8m、姫塚は全長58.5m、前方部が幅35m、後円部が径35m、後円丘の高さが4.4mです。

この古墳から類の見ない多数の「はにわ」が出土し、後に葬列の「はにわ」と称された姫塚に立てられた45体に及ぶ人物はにわの配列に大きな特色があります。

博物館を入ると、丸木舟が出迎えてくれ、館内には縄文時代の土器類の他に、何といっても所狭しと並ぶ「はにわ」には圧倒され、これらにより、古墳時代の人々の生活の様子を垣間見ることが出来ます。

この殿塚・姫塚は、誰の墓かは分かりませんが、この地域を支配した人のものであることは確かなようです。出土した「はにわ」による住まい(住居)・建物・人物・服装・持ち物・道具などから、この時代、大陸の影響をかなり強く受けていたことが分かり、むしろこの時代は大陸から渡って来た人(渡来人)が支配者となり、それぞれの地域を治めていたのではないかとも思われます。

はにわの多さに驚くと共に、古墳時代の謎解きが出来るような博物館でした。