市川・北国分東照宮(伊弉諾神社)

北総開発鉄道北国分駅を降り、左手に進むと、字権現原(堀之内4丁目)に伊弉諾(いざなぎ)神社があり、文化6年(1809)には相殿に徳川家康が祀られていた。地元の人たちは、この神社を「権現様」と称している。

この神社の北側入口には、文化6年建立の道標を兼ねた庚申塔(高さ約1m)があり、

  (正 面)青面金剛

  (右側面)西 松戸 東 堀之内 

        南 国分寺 北 大はし 道

  (左側面)文化六己巳十一月吉日

と刻まれている。

この神社の一帯は、貝塚地帯(堀之内貝塚・国指定史跡)であり、境内にも貝殻が散布している。神社は、旧国分村付近の古社であるが、その創建及び由緒については不詳である。この地は、千葉介常胤の5男胤通が当郷に分与されて国分氏を称したといわれる。

現在の社殿は、昭和12年(1937)6月に再建され、本殿の間口4尺、奥行3尺5寸、拝殿の間口3間3尺、奥行2尺で、拝殿の社額は江戸時代のものである。

境内には県内最大といわれる「ハリギリ」がそびえ、市指定文化財になっている。(拙書『調査研究・房総の東照宮』より)