静岡の旅 安倍川もち

江戸時代初期、家康が安倍川岸の茶屋に立ち寄ったとき、その店主が黄粉を安倍川上流(梅ヶ島)で取れる砂金に見立てて、撞きたての餅に塗し、「安倍川の金な粉餅」と称して献上した。

家康は、これに大層喜び、安倍川にちなんで「安倍川餅」と名付けたという。

江戸時代、日本では大変珍しい白砂糖を使用していることから有名になり、東海道の名物になった。

八代将軍・吉宗もこの安倍川餅が好物であったといい、駿河出身の家臣に作らせたといわれている。

むかしながらの安倍川もちが、旧東海道の安倍川橋の東側で製造・販売されているということで、その店に伺い、試食することにした。

建物も古めかしくて、いい感じである。

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撞き立ての餅や湯通しして柔らかくした餅に、黄粉や餡子を塗し、その上に白砂糖をかけて食べる。……「うまい!」。

餅の味が実にいい。これも伝統の味。300~400年続いている味で、江戸時代もこの東海道を行き来する旅人たちが「うまい!」といって食べたことであろう。


元記事 2021年8月5日