佐倉・臼井の「権現水」を再訪して
久しぶりに国道296号(成田街道)沿いにある佐倉市臼井台の長谷山宗徳寺を訪ねました。この寺は、元は応永3年(1396)に千葉・小弓城主原胤高が生実・柏崎に創建したもので、天正3年(1575)に原胤栄が臼井城に移った時に移転したといいます。
慶長19年(1614)正月に徳川家康が「鷹狩り」のため、東金辺を訪れたときにこの寺にも参詣したといい、享保7年(1722)の『佐倉風土記』の「権現水」の項に、
<印旛郡臼井の宗徳寺仏殿の前にあり。伝ふに東照神君(家康)、狩りのためここにおいて憩ふ。これを美とめていわく。宛も京師柳の水に似たり。>
とあり、家康がこの寺を訪れた時にこの清水を使ったお茶を召し上がり、この水が京都の柳の水に似て、美味しいと褒め称えたといいます。
この「権現水」は、宗徳寺墓地入口の左手にあり、「権現水」と「家康御遺訓」の石碑が建てられ、その前にあります。平成10年に訪れたときには、マンションや住宅地もなく、台地下によどんだ池がありましたが、その当時から比べると、周辺の景観が随分変化していました。
当時は、台地から流れ湧く水の小池であったと思われますが、現在は回りに石を囲んだ池になっており、きれいな水とは言い難く、飲むことはできません。